以下のとおり、4人から紹介がありました。
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1冊目
『子どもの脳を傷つける親たち』(友田明美、NHK出版新書)
幼少期に虐待を受けると、脳に変形が生じてしまいます。しかも、受けた虐待の種類によって、変形が生じる脳部位が概ね定まってきます。人の思考の発達は当然、脳の物理的な変化でもあるわけです。
本書によれば、研究が進めば、早い段階からのケアも可能となり、虐待の連鎖も防ぎやすくなるかもしれないとのことで、希望が持てました。
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2冊目
『未来は決まっており、自分の意志など存在しない。 心理学的決定論』(妹尾武治、光文社新書)
著者自ら曰く「トンデモ本」。帯には、「あなたが本書を手にすることは138億年前から決まっていた」。大丈夫か。
全ては決まっていて変えようがない(決定論)というのは、ぱっと聞くと希望を根こそぎにするものに聞こえますが、本書によれば、決定論は救いでもあると。話題豊富で、かつ、説得的でした。
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3冊目
『脳が壊れた』(鈴木大介、新潮新書)
ここにはなかなかうまく書きにくいのですが、発表者自身の脳が壊れたかのような、渾身のネタなのか? それとも本当に壊れかけてるのか? いや、まさか…。
自分の脳が壊れたとき、また身近な人の脳が壊れたときの、リハーサルにもなりうる、まさにリアルなルポルタージュです。
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4冊目
『「わかる」とはどういうことか 認識の脳科学』(山鳥重、ちくま新書)
ああ、なんでもかんでも、わかりたい、という欲望がある方に、おすすめです。わかるとはどういうことかこそ、わかりたい。
おもしろいのは、わかりたいというのは、生命の本質だということです。エントロピーが増大する(無秩序になる)一方の宇宙の中で、生命だけが、秩序づけに向かっているのです。
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以上4冊が紹介されましたが、さて、チャンプ本は…。
『未来は決まっており、自分の意志など存在しない。』と、『「わかる」とはどういうことか』との決選投票となり…。
決選投票を制したチャンプ本は、『未来は決まっており、自分の意志など存在しない。』です!
「トンデモ本」! 面白そう! ですので次回読書会の課題本は、『未来は決まっており、自分の意志など存在しない。』です。私自身は非決定論なので、読んで立場が変わるか、変わるならどうなってしまうのか、楽しみです。
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今回の料理は、肉をいい具合にグリルできました。おいしかった。しかし、写真を見て気づきましたが、色目が茶色いな! 緑を入れればいいのか?
楽しかった! ではまた次回も、いい新書とともにお会いしましょう。