以下のとおり、4人から紹介がありました。
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1冊目
『サラ金の歴史 消費者金融と日本社会』(小島庸平、中公新書)
サラ金といえば、昔は身体が憶えるほど流れていたサラ金のCMソングが近ごろ聞かないなと思っていましたが、この本にはサラ金の歴史、それも、私は考えもしなかったことがいっぱい書いてあって、とても面白かったです。サラ金は研究領域の隙間にあるらしくて、この本は希少価値も高いようです。若い研究者の真面目で真摯な書きっぷりに好感が持てます。
主婦は、戦後すぐくらいは法律上一人前に扱われていなかったことや、その後は家計を握ってサラ金のメインターゲットになったことなど、ジェンダー的な移り変わりも面白かったです。
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2冊目
『サラ金の歴史 消費者金融と日本社会』(小島庸平、中公新書)
カブったか。まあ、連鎖堂はカブりありっていうことだから。
1960年代の「団地金融」から、1970年代のサラ金と、私の生きてきた時代も歴史になるんだなというのが、最も面白かった。団地金融というのは、サラ金の前史で、公庫の審査を通った人に貸しても取りっぱぐれないだろうということから団地住民に貸す金融です。ちなみに、昔のサラ金の金利は驚きの109%!
サラ金会社の内部の雰囲気が分かるのも読みどころです。サラ金がえげつなかったころの、会社内部の超ブラックっぷりとか。
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3冊目
『相続地獄 残った家族が困らない終活入門』(森永卓郎、光文社新書)
タイトルは『地獄』ですが、著者にお金があるせいか悲壮感はなくて、軽く読める本です。
相続のことが分かっていないと損をするという話で、例えば、親の財産がよく管理されていないからといって子ども自身のお金から介護費用を出すと、親のお金が残った分は相続税で取られてしまうという…。
後半はまだ高齢でない人への終活ガイド、主にコレクター気質の人向けですが、著者が私設博物館「B宝館」にライザップCMで稼いだ500万円を突っ込む話が面白かったです。
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4冊目
『親の介護をする前に読む本』(東田勉、講談社現代新書)
テーマが「家計」ということで、ファイナンシャルプランニングの新書を何冊も読んでみましたが、結局は家計のポイントは介護だと思い、介護の新書も何冊も読んでみました。介護の本の中では、この本が一番インパクトがありました。
この本は介護の制度について勉強になるのですが、というより、良い介護というものがぜんぜん分かっていなかったなと。また、終末期医療が、救急医療とぜんぜん違うというのも、なるほどと強く思いました。
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以上4冊が紹介されましたが、さて、チャンプ本は…、『サラ金の歴史』です! 面白そう! そうか、消費者保護も歴史なんだなと。次回は、『サラ金の歴史』が課題本の読書会です。
料理の写真は、チキンとキャロットラペとリゾットです。リゾットにバターとチーズをたっぷり入れたら濃厚で好評でした。
楽しかった! では次回も、いい新書とともにお会いしましょう。