『系統樹思考の世界 すべてはツリーとともに』(三中信宏)を読んだ。
面白い。新しい思考方法を獲得できます。演繹・帰納ではない、第三の推論様式を。
進化や歴史には、再現も実験もありません。ではそれは科学ではないのか。しかし進化や歴史にも、説の善し悪し、つまり仮説選択基準があるはず。それが系統樹思考です。不動の真偽を定めるのではなく、仮説を果てしなく吟味し続けるのです。進化の木、語族の枝分かれ、写本の系統、不幸の手紙の来歴、等々。さらに目覚ましいことに、時が止まった真偽の世界と違い、系統樹思考は時を扱えます。系統樹から時が流れ出すというのです。