『社会心理学講義 〈閉ざされた社会〉と〈開かれた社会〉』(小坂井敏晶)を読んだ。
超絶面白い。社会と個人とはどのような関係にあるか。問いが骨太すぎる。
社会と個人が存在し、相互に影響する、では甘すぎます。例えば心理実験で我々は、強い被害を受けている人と弱い被害を受けている人を見ると、強い被害を受けた人を低く評価する傾向があります。これは単に無情だとか、認知バイアスだとかでは済まない。悪い人が悪い目に遭う、世界は概ね公正だ(公正世界仮説)、という心理がなければ、社会は成立しない。社会は個人から構成されますが、個人心理の底には社会があり、円環で一体なのです。