『科学革命の構造』(トーマス・クーン)を読んだ。
パラダイム転換、面白い。読む前はポストモダン的というか、科学者は集団のルール内で考えるだけだ的な本かと思ってましたが、違いました。
確かに、「チェスの問題を解こうと苦心する人は、チェスのルールについて考えない」としています。しかしむしろ、その解こうとする苦心、パラダイム内での通常科学こそを、科学の長所と評価しています。ルールの転覆(まさにコペルニクス)は外野からは目を引きますが、そもそも転覆が可能になるのは、つまり異常に気づくのは、通常科学による蓄積があるからこそなのです。